余剰電力と蓄電池容量の最適な関係とは?

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蓄電池の赤本の吉永健之です。

今回は、前回の記事の記事でも触れました、太陽光発電の余剰電力と蓄電池の容量との関係について、取り上げたいと思います。

そして記事の最後に、蓄電池選びに役立つ、クリスマスプレゼントをご用意していますので、ぜひ最後までご覧下さい。

前回の記事でもお伝えしましたように、蓄電池の経済効果を高めるためには、余剰電力と蓄電池の容量のバランスが重要です。

余剰電力と蓄電池の容量のバランスについて、ご説明するにあたり、固定買取期間中と終了後の売電収入の違いについて、おさらいしたいと思います。

10年間の固定買取期間中の売電金額は、2009年までに太陽光発電を設置した方の場合

売電量(kWh)×48円

が売電収入です。

しかし11年目以降は、売電金額が48円から大きく下がります。

現在のところ、8円~11円程度になると予想されています。

例えば、年間3000kWhの電気を売電している方の場合、これまでの売電収入は

3000×48=14万4000円となります。

この売電収入が、11年目以降の売電額が、11円とした場合でも

3000×11=3万3000円と大きく下がります。

売電金額が、電気料金よりも大幅に下がるので、蓄電池に貯めて自家消費した方がオトクになります。

そこで、11年目以降、余った電気を全て蓄電池に貯めた場合を見てみましょう。

余った電気を全て蓄電池に貯める場合

蓄電池を購入して自家消費した場合の節約できる電気代は、電気料金が24円/kWh、蓄電池の充放電効率が80%とすると、

3000×0.8(80%)×24=5万7600円

となります。

そこで蓄電池を設置しなかった場合と比較すると

5万7600円-3万3000円=2万4600円

が蓄電池を設置したことによる年間の利益です。

ここで余剰電力を、全て自家消費した場合の利益が分かりました。

次に、蓄電池に必要な容量を見てみたいと思います。。

蓄電池に必要な容量

年間の売電量が3000kWhの場合、1日当たりの平均売電量は

3000÷365=8.2kWh

となります。

余剰電力を全て貯める場合、蓄電池の実効容量が8.2kWh以上あれば良いのかというと、そうではありません。

8.2kWhという数字は、晴れの日、雨の日、日射量の多い夏、日射量の少ない冬など、様々な条件の下での売電量の平均値です。

夏場の日射量の多い日には、8.2kWhをはるかに超える場合もあるでしょう。

もし夏場の晴れた日には、この2倍の売電量があったとした場合、16.4kWh以上の実効容量を持つ蓄電池が必要となります。

家を留守にして電気を使わない日があった場合なども同様です。

年に何日もない、「家を留守にする日」の余剰電力を基準に蓄電池選びをした場合、蓄電池の容量がムダになってしまいます。

蓄電池は、容量が大きければ大きいほど値段が高くなるので、これでは初期投資が大幅にかさんで、回収に時間がかかってしまいます。

売電と自家消費の併用で経済効果を高める

そこで蓄電池の容量を抑えて、売電と併用することで経済効果を高める方法が考えられます。

蓄電池の実効容量を何kWhにした時に、最も経済効果が高まるのかを見るためには、年間を通じた発電量の傾向を確認することが有効です。

年間の最大売電量も重要ですが、同時に年間を通じての売電量の傾向を見ることが、蓄電池の容量選びでは重要となります。

固定買取期間の終了は、最も早い方でも2019年の11月で、1年近くあります。

そして固定買取期間終了まで、まだ1年以上あるという方も多くいらっしゃるでしょう。

そこで、固定買取期間終了までの1年間で、年間を通じての売電量の傾向を調べることで、蓄電池の最適な容量選びに役立てることができます。

1日ごとの発電量と売電量の記録があれば、最適な蓄電池の容量をシュミレーションできます。

スマートメーターを設置している方は、データーを取り出すことで確認できますが、設置していない方は、電力量の記録を取り計算する必要があり、手間がかかります。

11年目以降の収支をシュミレーション出来る
売電記録シートのプレゼント!

そこで、蓄電池の赤本ではスマートメーターを設置していない方でも、簡単に年間の発電量の傾向を調べることができる「売電記録シート」を作成しました。

使い方は、とても簡単です。

エクセルの入ったパソコンがあれば、どなたでも使えます。

使い方は、簡単です。

今年の大晦日2018年12月31日から、来年の大晦日2019年12月31日までの1年間、

1日1回太陽の沈んだ夕方以降に「グリーンメーター」と「売電メーター」の数値を確認して、エクセルシートに入力するだけです。

しかも、売電記録シートを入力すると、発電量の傾向を調べられるだけでなく、11年目以降のシュミレーションができます。

11年目以降の売電金額と、蓄電池の実効容量を設定することで、「蓄電池を購入した場合」と「蓄電池を購入しない場合」の、収支の比較もシュミレーションができます。

蓄電池の実効容量の設定を様々に変えて、シュミレーションが出来るので、最も経済的な蓄電池を見つける事ができます。

蓄電池を購入する前にシュミレーションすることで、

もっと容量の大きい蓄電池にすれな良かった・・・

あるいは、

もっと容量の小さい蓄電池でも良かった・・・

と、後悔しなくて済むかもしれません。

最適な蓄電池の容量をシュミレーション出来る「売電記録シート」は、無料です。

次の申込ページから、メルマガに登録していただければ、メールにて売電記録シートのダウンロード方法と使用方法をご案内いたします。

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発電量の記録を取ることで、太陽光発電の健康状態を把握できます

売電記録シートのメリットは、11年目以降のシュミレーションができるだけではありません。

売電記録シートは、売電量と同時に発電量を調べるので、太陽光発電の健康状態を把握できます。

太陽光発電の故障は、多くの場合「発電量の低下」という形で現れます。

売電記録シートで、毎日の発電量を記録をする習慣を身につけることで、故障の早期発見ができます。

故障を早期に発見することで、修理費用を抑えると同時に、太陽光発電をより長く使うことができます。

故障の早期発見は、寿命を延ばすことにもつながります。

太陽光発電をより長く使うことで、より多くの経済効果が得られるでしょう。

売電記録シートは、年末の12月31日から記録を開始するので、ぜひお早めにお申し込み下さい。

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電気の豆知識2 太陽光発電の故障診断とは?

最後に、電気の豆知識として、太陽光発電の故障診断について、少し専門的なお話をしたいと思います。

故障診断として、使われる方法に次の2つがあります。

①太陽光発電の日射量に対する発電量(発電性能指数)を求めて判断する方法

発電性能指数を数式で表わすと、次となります。

PR=(EP/PS)/(HA/GS)

PR:発電性能指数(パフォーマンスレシオ)

EP:システム発電電力量(kWh)

ES:システムの定格発電出力(kWh)

HA:傾斜面日射量(kWh/㎡)

GS:基準日射強度(=1kWh/㎡)

この発電性能指数は、日射量の変化にかかわらず、太陽光発電の発電性能を表わすので、この数字を見ることで故障診断ができます。

発電性能指数が急激に低下すれば、故障の可能性があると判断できるワケです。

※1発電性能指数は、年数の経過と共に経年劣化により小さくなります。

※2発電性能指数は、温度特性が含まれないので、高温になる夏場は小さく、低温の冬場は大きくなる傾向があります。

②前年の発電量との比較によって、性能の変化がないことを確認する方法

太陽項発電の発電量は、前年の同じ日と比較した場合、天候によって発電量が違ってきます。

そこで、このばらつきによる誤差を少なくするため、月の平均値や、その月の最も発電量の多かった日を比較します。

日々の発電量の記録が、故障診断のカギに

以上、2つの故障診断方法をご紹介いたしました。

2つの方法ともに、毎日の発電量の記録を取ることが、重要となってきます。

故障を早期に発見し、太陽光発電をより長くお使いいただくためにも、毎日の発電量の記録は重要です。

参考文献:一般財団法人 太陽光発電協会編 太陽光発電システムの設計と施工 P194、195

 

 

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