蓄電池の赤本の吉永健之です。
今回は、蓄電池のテレワークへの活用方法についてお伝えします。
昨年から、政府の働き方改革の一環として、推奨されているのがテレワークです。
今年に入ってからは、蔓延する新型コロナウイルス対策として、テレワークの重要性が一気に高まっています。
こうした背景もあり、お勤めの会社がすでにテレワークを導入したという方や、導入を検討しはじめたという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
その一方で、テレワークには、
・業務管理をどうするのか?
・業務効率低下をどう防ぐのか?
・セキュリティをどう確保するのか?
など、解決すべき課題が多いのも事実です。
ご自宅に太陽光発電を設置して卒FITを迎える方の場合、蓄電池はテレワークの課題の一つを解決する上で役立ちます。
目次
見落としがちなテレワーク上の課題とは?
テレワークで見落としがちな課題の1つに、電気代の上昇があります。
これまで、オフィスで働いているときは、会社の経費で支払っていた電気代を、テレワークへの移行により、自己負担しなければなりません。
日中に自宅で仕事をするので、家にいる時間が多くなり、会社で仕事をする場合に比べて電気代はかさみます。
ご夫婦共働きでこれまでは日中は家を空けていた方は、テレワークへの移行による電気代の上昇は、特に大きいのではないでしょうか。
さらに学校の休校が長引くと、子供さんも家にいることが多いので電気代はかさみます。
卒FITで蓄電池を設置済みの方は、 自家消費と深夜電力の有効利用がおすすめ
そこで、卒FITにより蓄電池を設置済みの方は、自家消費とともに深夜電力の有効利用がおすすめです。
自家消費
卒FIT太陽光の自家消費は、テレワークの有無にかかわらず、光熱費を削減する上で重要です。
卒FIT後は、売電価格が電気料金のおおむね半分以下まで下がりました。
そこで、余った電気は蓄電池の容量が許す限り貯めて、夜間に使うことが光熱費削減に有効です。
深夜電力の有効利用
蓄電池の容量が十分ある場合は、太陽光発電で足りない分を安い深夜電力で充電する方法が有効です。
※蓄電池の容量が十分でない場合は、割高な昼間の電力を買電する必要があるため、経済効果はあまり得られません。
各電力会社さんでは、深夜の時間帯に電気料金が割安になるプランを用意していますので、有効活用することで電気代を抑えられます。
例として、東京電力さんのプランで見てみましょう。
夜トク8では、23時から翌朝7時かでの電気料金が21.16円/kWhです。
この値段は、通常の従来電灯プランと比較すると、120kWhを超えた分が割安となります。
120kWまででは、19.88円/kWhと夜トクプランの方が割高になるので、一定以上電気を買電しなければオトクにはなりません。
蓄電池の効率を95%として、容量が十分にあるものとした場合、何kWh以上の電気を買電すると、夜トク8がオトクになるのでしょうか。
※分かりやすくするため、基本料金を除いて考えます。
方程式を使って計算してみます。
「スタンダードS」と「夜トク8」の料金が同じとなる買電量を(y:ワイ)kWhとすると、
y×21.16÷0.95=120×18.88+(y-120)×26.48
の式で表されて、
y=216kWh
となります。
つまり、1カ月当たり216kWh以上の電気を買電する場合は、「スタンダートS」よりも「夜トク8」がオトクです。
※分かりやすくするため基本料金の差は考慮に入れていません。
では、実際にどれぐらい電気代がオトクになるのでしょうか?
250kWhの電気を買電する場合( 蓄電池の充電電力は263kWh)
→140円オトクに
300kWhの電気を買電する場合 ( 蓄電池の充電電力は316kWh)
→350円オトクに
350kWhの電気を買電する場合( 蓄電池の充電電力は368kWh )
→894円オトクに
400kWhの電気を買電する場合 ( 蓄電池の充電電力は421kWh )
→1301円オトクになり
買電量が増えるほど電気代はオトクです。しかし、買電量が増えるほど、大容量の蓄電池が必要となります。
深夜電力がオトクなプランは、昼間の電気料金が高いので蓄電池の容量には注意が必要!
そこで、深夜電力がオトクなプランに替える際には、昼間に使うだけの電気を十分にためるだけの容量があるかどうか、確認しましょう。
なぜなら、昼間の電気使用量が多いほど大きな容量の蓄電池が必要となるからです。
例えば、1か月の買電量が400kWhの場合は、深夜に一日平均して13.3kWhを蓄電池にためる必要があります。
日によって買電量の変動があることを考慮すると、実効容量は13.3kWh以上必要です。
もし容量が足りずに、昼間に蓄電池の電気を使い切ってしまった場合は、32.74円/kWhの割高な電気を買電しなければならないからです。
ですので、蓄電池の容量が小さい場合は、深夜電力が割安なプランに変更するかどうかは、毎日の買電量と蓄電池の実効容量を比較して、十分に検討する必要があります。
蓄電池で、災害による長期停電時も安心
卒FITを迎えた方の中には、蓄電池の購入を迷っている方も多いと思います。
蓄電池は値段が下がったとは言え、まだまだ高い買い物なので、値段が下がるまで待つ方もいらっしゃると思います。
しかし蓄電池には、光熱費の削減効果だけでなく、災害時の防災用品としての機能も兼ね備えています。
昨年は、台風や地震などの自然災害により、大規模な停電が多く発生しました。
1週間以上の長期停電に見舞われた地域もあります。
高齢者の方や、ご病気の方、小さな子供さんのいらっしゃるご家庭にとっては、長期停電は深刻な問題です。
蓄電池は、停電による様々なリスクを回避して、大切なご家族の健康を守るための防災用品としても重要性が高まっています。
気候変動対策のカギを握る蓄電池産業を、コロナショックから守りましょう!
今回のコロナショックは、様々な業界に深刻な影響を与えており、蓄電池業界も例外ではありません。
参考:化学工業日報「新型コロナ 電池産業にも影響 EV開発に遅れも」
コロナショックにより、リチウムイオン電池の製造・開発が遅れれば、気候変動対策にも悪影響を及ぼしかねません。
リチウムイオン電池をはじめとする蓄電池は、気候変動対策として有効な再生可能エネルギーの普及を進めるうえで、重要な役割を果たします。
リチウムイオン電池の開発により、ノーベル化学賞を受賞された吉野彰さんも、「リチウムイオン電池の次のミッションは環境問題に対して何らかの答えを出すこと」 と言われています。
参考:bloomberg『ノーベル賞受賞の吉野氏「環境問題の解に」、EV普及で再エネ加速へ』
蓄電池産業を応援し気候変動対策を推進するためにも、コロナが落ち着いたら経済的に余裕のある方は、蓄電池の購入をおススメします。
外出自粛が呼びかかられている今の時期だからこそ、じっくりと蓄電池を検討するのはいかがでしょうか?
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